あなたの上下の歯、ズ〜っと合わさっていませんか?
最近のある研究機関が、顎の関節の異常を訴えている患者さんの約半数に共通する口の習慣を発見しました。それが、不必要に上下の歯を接触させる癖です。その癖をTCH(Tooth Contacting Habit)と云います。
「口を閉じていれば、上下の歯はくっつくのでは?」
と思われるかもしれませんが、普通の状態、口を開ける筋肉も、閉じる筋肉も全く使わなければ上下の歯はどこも接触しません。ところが、食事や会話中以外の時間に上下の歯が常に接触している人がいます。 パソコン作業をする方などにTCHが多く見られるようですので注意が必要です。
上下の歯が接触するだけでも、口を閉じる筋肉が緊張状態になります。それが長く続くと、口の筋肉、顎関節に負担が掛かり顎関節症になりやすくなるそうです。また、軽い力でも長く続く事により、歯や歯肉が圧迫され歯を支える歯根膜と云う組織に過敏症が起ります。歯根膜が過敏になると虫歯や歯周病でもないのに、食事中の噛合せで痛みを感じるようになります。これが数年単位で長期化すると歯並びの乱れ、歯の喪失、治療不全など深刻なダメージに繋がります。特に噛合せで大切な奥歯にTCHの影響が出やすいと云われています。
また、TCHの影響は口の中だけで留まらず、筋肉の緊張が続くと交感神経が活発になりストレス状態、肩こり、頭痛、耳鳴りが起きやすくなります。TCHの改善でこれらの症状が
軽減する事がよくみられます。それに噛む筋肉は頬にあり、その表層にある表情筋にも不要な力が入り皺ができやすくなるそうで、美容的にもTCHは大敵です。
あなたは、大丈夫?
自分で出来るTCH簡単チェック
☆リラックスした姿勢。
☆唇に力を入れず上下を軽く接触させる。
☆その状態上下の歯を接触させないように軽く離す。
この時、ハッキリとした違和感がなく、そのまま無理なく5分以上続けられれば大丈夫です。落着かず、違和感があればTCHが疑われます。
口もとの緊張は全身へ伝わり、ストレスの原因にもなります。反対に、口の緊張を解けば、全身のリラックスに繋がります。
ストレスの多い現代社会、口元からはじまるリラックス方法をしっかり身につけて下さい。
2015.05.30 広瀬