味わい、楽しみ、健康に
人の味覚は、曖昧
人が持つ五感(視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚)の中で、一番影響されやすいのが、味覚なのだそうです。逆に影響力が強いのが「匂い」嗅覚、風邪をひいて鼻が詰まると味覚が変わるのはそのせいです。なんとなく、いつもと違う味覚のときも、他の器官に原因があることが多いのです。
「よく味わう」には、「よく噛む」
やや心許ない味覚ですが、その正体は、舌や顎に存在する味蕾という器官が、味の刺激をキャッチし、脳に伝えて感じることが出来ます。食べ物を口に入れただけでは不十分。よく噛んで、唾液に味の成分をしみ込ませないと、味蕾は味を受け取ることはできません。つまり、「よく味わう」ためには、「よく噛む」ことが大事です。
舌のヨゴレ、舌苔
他に味蕾の仕事を妨げるのに、舌のヨゴレ「舌苔」も原因となります。
舌苔は、舌の表面に付着するたんぱく質由来のヨゴレで、味蕾に味の成分を届きにくくします。そのため最近では、舌ブラシのケアをお勧めすることも増えています。舌は、強く磨き過ぎると、簡単に傷つき逆効果になるので、歯科医院で舌ケアの指導を受けて下さい。
味覚が弱まると……生活習慣病に
味が感じにくくなると、どうなるでしょう?
料理の味付けが、濃い味になります。以前より、より塩辛く、より甘く、味覚が鈍くなると、またより濃く……結果、塩分やカロリーの摂り過ぎで、生活習慣病に。
健康のために、美味しい食事を続けましょう。
2016.12.25 広瀬 俊