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院長コラム

歯の寿命を延ばす樹脂含浸象牙質!  虫歯再発予防の決め手! 

虫歯で歯が欠損しても、歯には再生能力がないので自然治癒は望めません。 そのために、人工的な材料で虫歯を修復して治す必要があります。 しかし命ある生体組織は人工物を原則受け入れてくれない。ここに虫歯治療の問題点があります。 将来、再生医療が進歩すれば組織の再生による治癒も可能になるかも知れないが、今は時期尚早と思えます。

歯の修復材の歴史
以前は、虫歯治療の信頼性を高めるため、丈夫で強い材料が必要と考えられてきました。しかし、予想に反し強度を高めても脱落・再発の予防には効果が見られませんでした。
そこで、強度より「歯とよりくっつけよう」と発想し研究者たちは試行錯誤しながら歯への接着力を高める材料を開発しました。

樹脂含浸象牙質
その研究の過程で、材料のみならず着けられる側の歯面、特に象牙質と云われる組織への前処置が有効であると発想し、象牙質組織内に合成ポリマーを浸透させた樹脂含浸象牙質の生成に成功しました。


これは、接着力の向上のみならず虫歯治療全般の進歩に貢献しています。
通常の象牙質は外来刺激に弱く度々虫歯の再発を招きました。それに比べ樹脂含浸象牙質は外来刺激に強く防ぐことが出来、虫歯の再発を防止に効果がありました。
歯の象牙質はイメージ的に「軽石」に近く、樹脂含浸象牙質は「透明な油性のペンキを浸み込ませた軽石」のイメージです。

まとめ
虫歯治療は外来刺激に強い樹脂含浸象牙質により、虫歯を治療した歯の半永久的な口腔内での生存が可能であり、生体組織を感染から守り疾患の治癒が達成されたと思われる。

 2013.11.23  広瀬俊


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